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補助金・助成金

回復から成長へシフトチェンジ!? 令和5年度以降の「事業再構築補助金」制度概要とは?

数ある補助金の中で、最も注目度の高い「事業再構築補助金」。
令和4年12月に、令和4年度第2次補正予算が成立したことで、令和5年度も継続募集される見込みとなりました。
公募開始(第10回)は、令和5年3月下旬の予定です。

 

すでに制度概要が公表されているのですが、どうやら従来の事業再構築補助金から大きく様変わりしそうです。

令和5年度以降の「事業再構築補助金」制度概要

 

ここでは影響度が大きいと思われる項目に絞って解説します。

 

「通常枠」がなくなり「成長枠」が創設

第10回以降の事業再構築補助金では、従来までの「通常枠」の代わりに「成長枠」が創設されます。

目的は、成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者に対する支援です。

 

補助対象となる業種・業態が指定される

ここで言う「成長分野」とは「過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態」を指します。

「成長に向けた取り組み」に加えて「成長分野」という要件を加えることで、成長の確度が高い事業者を集中的に支援しようという意図が見てとれます。

具体的な対象業種・業態は、公募開始時に事務局のホームページで公開される予定です。

 

なお、指定外の業種・業態であっても、応募時にデータを提出し、要件を満たす(10%以上拡大する)業種・業態であることが認められれば、対象となる可能性があります。

また、過去の公募回で認められた業種・業態も、指定業種として公開される予定です。

 

すべての業種・業態が補助対象となるわけではないものの、ガチガチに絞る意図はなく、ある程度、柔軟に判定されるものと思われます。

 

売上高減少要件が撤廃

これまでの通常枠では、以下の売上高減少要件が設けられていました。

 

<参考>現行(第9回)までの売上高減少要件
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は 2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること等

 

一方、「成長枠」では上記要件がなくなるため、売上高が減少していなくても申請することができます

 

「産業構造転換枠」の創設で「廃業費」も補助対象に

国内市場の縮小といった産業構造の変化などにより、事業再構築の必要性が高い業種・業態の事業者に対しては、新たに「産業構造転換枠」が設けられます。

成長枠と比べて補助率が高く、廃業を伴う場合に最大2,000万円の「廃業費」が上乗せされます。

 

以下2項目のうちいずれかを満たす必要があります。

① 過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属していること
② 地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域に属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること

 

具体的な対象業種・業態、適用要件などは、「成長枠」と同様、公募開始時に事務局のホームページで公開される予定です。

 

社会福祉法人の補助対象範囲拡大

介護事業の生産性向上を支援するため、社会福祉法人が公的保険制度の範囲外で行う事業が収益事業とみなされます。
これにより補助対象となる社会福祉法人の範囲が拡大します。

 

厚生労働省が発表した「介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ」との連動を強化する狙いです。

 

介護サービスは深刻な人手不足に陥っており、生産性向上は待ったなしの課題であるため、本補助金の活用ニーズはとても高いと思われます。

 

最後に

事業再構築補助金をはじめとする各種補助金は、公募回数を重ねるたびに、さまざまな要件が加わったり、緩和されたりと目まぐるしく変化します。

その変化を知らないまま申請すると、採択される可能性が少なくなるどころか、不受理となるリスクもあります。

 

石川県中小企業診断士会では、補助金申請に携わった経験のある中小企業診断士が数多く在籍しています。

具体的な申請手続きや採択されやすい事業計画書の策定などについてサポートしておりますので、ぜひお問い合わせください。

 

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