3月下旬から4月初旬にかけて、事業主の皆さんのもとに、金融機関の担当者が組織改編や異動に伴う引き継ぎなどの挨拶に来られたのではないでしょうか。
しかし、ここで注意が必要です。
単に担当者との名刺交換で終わらせてはいけません。
新年度の慌ただしさが落ち着いた今だからこそ実践していただきたいのが、金融機関のキーマンとの人脈構築です。
キーマンとは誰か、なぜキーマンとの人脈構築が重要なのかを解説します。
金融機関の融資審査の流れを知る
融資審査は、以下のように進みます。
①渉外担当者(融資稟議書を作成)
↓
②渉外担当役席
↓
③貸付担当役席
↓
④支店長
ここでのキーマンは「③貸付担当役席」「④支店長」です。
貸付担当役席は、融資稟議書の内容の妥当性をしっかりチェックする門番の役割を担います。
支店長は、支店における融資審査の最終決定者です。
キーマンとの人脈はスムーズな融資審査につながる
貸付担当役席や支店長は、渉外担当者が作成する融資稟議書をもとに融資判断します。
もちろん、渉外担当者からも詳しい情報をヒアリングします。
しかし、稟議書や渉外担当者からの情報だけでは経営者の意図が100%伝わることは難しいものです。
また、すでにコロナ融資で多額の貸付をおこなっていることから、融資審査は厳しくなりつつあります。
だからこそキーマンである「③貸付担当役席」と「④支店長」との人脈が重要なのです。
キーマンは、決算数値や書類だけで機械的に融資判断しているわけではありません。
どんなに苦境に立たされている企業であっても、なんとか支援したいと考えています。
しかし、経営者の顔が見えなければ、融資しづらいのが人情です。
定期的に支店を訪問してくれる経営者と、何年も支店に顔を出さない経営者がいたとしたら、どちらを応援したくなるかは自明の理でしょう。
接触が増えることで相手に好感を持つようになることは、心理学の面からも証明されています。
金融機関からの継続的な支援を受けるためにも、融資審査の流れを知り、融資審査のキーマンとの人脈を構築することが重要なのです。
何年もメインバンクの支店を訪問していないのであれば、新年度の慌ただしさが落ち着いたこの時期に訪問されてみることをお勧めします。