Blog診断士ブログ

トピックス

<2025年>新年のご挨拶 ~希望の源泉を掘り起こす力~

新年、明けましておめでとうございます。

 

新たな年を迎え、無事に年を越せたことを心より喜び申し上げると共に、
被災された皆様が一日でも早く復旧・復興され、未来が開ける一年になりますことを、心からお祈り申し上げます。

 

 

 

能登半島地震から1年、未だ残るココロの傷跡

 

2024年1月1日、石川県を襲った能登半島地震から早くも1年が経過しました。
振り返れば、あっという間の1年だったように感じられます。

 

しかし、この1年は被災地の人々にとって決して容易なものではありませんでした。
地震の傷が癒えぬまま、2024年9月には能登半島を豪雨が襲い、複合災害となりました。

 

当協会では支援機関を通じて事業者支援を行っておりますが、地震は乗り越えたものの、先祖代々受け継いできた田畑が潰れたことで『事業を辞める』『能登を離れる』という声も多く聞かれました。

 

物理的な被害は修復できても、ココロの傷を癒すのは容易ではないということを、実感させられる1年となりました。

 

 

 

復興への歩み、本音と課題と希望

 

能登半島地震より1年が経過した現在、地域によって復旧・復興の進捗に差はあるものの、再起に向けて活動を始めている事業者や地域も増えてきました。

 

『ここ(能登)で続けるよ』『もう一度立ち上がってみる』という前向きな声も聞かれるようになりました。

 

 

一方で、能登の状況は震災前と大きく変わっています。

 

建物は損傷し、人手不足も深刻化。
県外からは『やはり訪れるのは怖いから‥(行かない)』というリアルな声も聞こえてきます。

 

また、能登の地域に住む多くの方々が表面上は元気に振る舞っていますが、その裏には “不安” や “諦め” の気持ちも隠れており、顔を合わせて話をすると、時折本音がこぼれます。

 

『長年暮らした愛着ある地を元の姿に戻したい、住み続けたい、だから頑張る』も本音なら、
『でも、元に戻せるだけの気力も希望も見通しもない』も本音です。

 

単に過去の延長線上で事業や地域の再建をするだけでは、相反する想いを抱える地域の人々のココロまで癒すことはできず、真の意味での再起は難しいのかも知れません。

 

 

そんな現実や本音と向き合う中で、我々中小企業診断士は何が出来るのか?

 

自問自答し、事業者や地域の支援を続ける中で、一つ、特に我々に強く求められている役割があると感じています。

 

それは、言語化や視覚化を通じ「目に見えないもの」を「目に見える形」に変え、人々の想いと力を合わせる役割です。

 

 

 

目に見えない価値を可視化し、想いを束ねる

 

我々、中小企業診断士による支援は、単に数値的・金銭的なものに留まりません。

 

我々に期待される重要な支援の一つに、事業者や地域の”想い”や”文化”、”受け継がれてきたもの”といった「目に見えないもの」を、傾聴と対話を通じて言語化・視覚化・整理し、世の中の流れやニーズの変化に合わせて、商品やサービス、情報といった「目に見えるもの」に変えて世の中にお届けすることがあります。

 

目に見えないものを目に見える形に変換・表現することは『事業の本質的な価値』『地域における本当に大切なモノ』の深い理解に繋がり、それらは未来に向けたビジョンの明確化や、ビジョンの企業内外・地域内外での共感、更には互いに団結し未来に進む力の源となります。

 

 

 

地域全体での団結と未来へのビジョン

 

私達は生きており、生きている以上は、いずれ次の世代へ引き継ぎを考えることになります。
しかし、形だけ整え、現役世代がカラ元気でそれらを維持しようとしても、次の世代がその想いを受け継いでくれるとは限りません。

 

真に復興へ向けて進むためには、地域の人々の”諦め”を吹き飛ばし、次世代が受け継ぎたくなるような「未来への希望と明確なビジョン」や「地域全体で団結し前に進む気風」が必要となります。

 

それら希望とビジョンの明確化にあたり、我々”中小企業診断士”が担えることは沢山あるでしょうし、

そんな、『希望の源泉を掘り起こす力』こそ、今復旧・復興に向けて我々に求められていることなのでは無いでしょうか。

 

 

 

ともに希望の灯火を守り続ける

 

能登半島地震から1年、被災地の人々は様々な困難に直面しながらも、一歩一歩前に進んでいます。

復興の道のりは長く、険しいものかもしれません。完全に元の姿に戻ることは難しく、変化は避けられないでしょう。

 

それでも、前を向いて進む想いがある限り、私たち石川県中小企業診断士会は、その想いに寄り添い、全力で実現をお手伝いいたします。

 

私たちは、単なる経営支援を超えて、地域の方々の夢と希望を共に紡いでいく、そんな伴走者でありたいと考えています。

 

皆様一人一人の抱える想いを、目に見える形にし、地域全体で新たな未来を築いていく。

そんな復興の姿を目指して、これからも皆様と共に歩んでまいります。

 

どうぞ、本年も石川県中小企業診断士会をご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。