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生成AIの進化で “本質を見極める力” が加速度的に求められる時代に突入する

早いもので2023年もあとわずか。
さまざまなメディアで、今年を象徴する出来事や流行を振り返る特集が組まれています。

 

その中で、ビジネス界を席巻したのが、チャットGPTに代表される生成AIの進化ではないでしょうか。

 

ユーザーが入力した質問に対して、まるで会話しているかのように詳細な情報を返答してくれます。

さらには、セールスレターの執筆、プレゼン・マニュアル等の資料作成、アイディア提案など、用途もさまざまです。

今や生成AIはビジネスに欠かせないツールになりつつあります。

 

ただし、生成AIは万能ではありません。
情報の正確性や著作権保護の点で課題が山積しています。

 

便利なツールや技術が誕生するたびに、それらとの向き合い方が問われるのは世の常です。
本年最後の投稿では、生成AIの進化がビジネスに及ぼす影響について考察します。

 

“文章スキルがなくても売れる文章が書ける”は本当か?

文章を書くのが苦手な人にとって、手っ取り早く文章を書き起こしてくれる生成AIは魅力的です。

ただし、使い方次第では全く役に立たない場合もあります。

 

試しに「ステーキ店のキャッチコピーを考えて」と質問したところ、
「極上の肉、究極の舌福。贅沢なひとときをお届けします。」
「肉の贅沢、ここに極まる。本物の味わいをお楽しみください。」
「熟成された肉の芳醇な香り、感動の一口。贅沢なステーキをご提供します。」
・・・
という回答が表示されました。

これを見て、どう思われるでしょうか?

 

自身のステーキの特徴や他店との違いなどが反映されていません。

残念ながら集客力向上という目的は達成できないでしょう。

 

生成AIは、漫然とした質問には、漫然とした答えしか返してくれません。

生成AIの特性を理解し、意図した内容の文章を返してもらうための操作スキルが必須なのです。

 

生成AIを使いこなすための講座・セミナーが急増

生成AIの潜在能力を活かせない人の受け皿として、生成AIの使い方をレクチャーする講座やセミナーが急増しています。

 

一部の講座・セミナーでは、

 

生成AIなしではビジネスは成り立たない

AI時代の潮流に乗り遅れるのは致命的

 

と、危機感を煽るような宣伝文句が目につきます。

 

もちろん、生成AIの重要性が高まることは間違いないでしょうし、他者に先んじて生成AIを使いこなすノウハウを会得することはとても有意義でしょう。

 

一方で、そうした講座やセミナーが今の自分に必要なのか冷静に考えるべきです。

 

たとえば、生成AIを活用したセールスライティング講座。

文章を書くのが苦手な人にとっては、救世主のように見えるかもしれませんが、実は違います。

 

どんなに生成AIを使いこなせたとしても、最終的な手直しは人間がしなくてはなりません。

文章力がない人が下手に手を加えることで、かえって意味がわからなくなってしまっては本末転倒です。

 

つまり、生成AIが書き起こした文章を吟味し、適切に修正できるだけの文章力がないと、生成AIを利用する意味がないということになります。

 

生成AIに詳しくなることと、集客力向上につながる文章を書き起こすことは、全く別のスキルです。

あなたが受講したいと考えている講座・セミナーは、それぞれのスキルが身につくカリキュラムになっているでしょうか。

 

時代の流れに取り残されまいと、安易に飛びつくのは避けたいものです。

 

生成AIへの対応次第でスキル格差はさらに広がる

むしろ生成AIは、高い文章力を備えている人にとって有用なツールになると考えます。
基本的な文章作成は生成AIに任せ、自らは文章のブラッシュアップに注力すれば、魅力的な文章を効率良く生み出せるからです。

 

そう考えると生成AIは、文章力を備えている人とそうでない人の格差を広げるツールと言えます。

つまり生成AIは、自身が持っている基本的スキルを有効に活用するための手段なのです。

 

来年以降も、新しいツールや技術が続々と登場するでしょう。
その度にメディアは「世の中が変わる」と囃し立てるでしょう。

 

情報に振り回されるのではなく、新しいツールや技術がもたらす本質的価値を見極め、うまく取り込んだ人だけが利益を享受できるのかもしれません。

 

伴走支援型コンサルは人間によってのみ提供できる

AIに関連する別の視点として「AIに代替される士業」がビジネス雑誌で特集されるようになったのも本年の特徴でしょう。

現時点では憶測に過ぎず、本当にそうなるかどうかは誰にもわかりません。

 

ただひとつ言えるのは「中小企業診断士」は代替されにくい士業であるということです。

 

我々の役割は、ひざ詰めの議論を通して経営者の本音を把握し、本当に必要な施策が何なのかを追求し、助言することです。
生成AIが同等の役割を果たすことは不可能でしょう。

 

私たち石川県中小企業診断士会は、生身の人間にしかできない、愚直で、粘り強い、伴走支援型コンサルを提供し、結果を出してきました。

先行き不透明な時代を生き抜くためにも、どうか当会を積極的にご利用ください。

 

本年も「診断士ブログ」をご愛読いただき、誠にありがとうございました。
2024年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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