コロナ禍以降、当会が取り扱う案件は急増しました。
そのひとつひとつに丁寧に対応してきたことで成果につなげ、多くの経営者の方から喜びの声をいただいています。
一方で、思うように成果が上がっていない事例があることも事実です。
現状把握が十分でなかったり、適切な助言ができなかったりと、コンサルタントのスキル不足が一因になっていることはあります。
経営支援の専門家である以上、成果を出せるよう鋭意努力しなければならないのですが、コンサルタントだけに原因があるかと言われると、決してはそうとは限りません。
コンサルタント同士で情報共有する中で、「それはさすがに難しい」と言わざるを得ない事例もあるのです。
具体的には、「経営者の取り組み姿勢が根本的に間違っている」ということです。
今回は、コンサルタントをうまく活用できない経営者の共通点を紹介します。
当事者意識が欠如している
大前提として、「決断し、実行し、結果を出すのは、経営者自身である」という事実を押さえておく必要があります。
ところが一部の経営者は、お手並み拝見と言わんばかりに、コンサルタントに丸投げすることがあります。
コンサルタントができることは、あくまで「助言」です。
経営者自身が下した意思決定について、第三者の視点から助言するのがコンサルタントの役割です。
経営者の意思が最優先ですから、具体的に何をしたいのかを事前に考えておくのは経営者の責任なのです。
わかりやすく伝えるための準備をしていない
コンサルタントは、具体的な施策を検討する準備作業として、事業内容、特徴、強みなどの現状把握を行います。
限られた時間の中で効率よく情報収集するには、事業内容や特徴をまとめた資料が欠かせません。
ところが多くの経営者は資料を作成することに慣れていないせいか、すべて口頭で説明しようとします。
もちろん、口頭による補足説明は必要でしょうが、口頭だけの説明ですべての内容を把握することは困難です。
何も有名プレゼンターが使用するような豪華な資料である必要はありません。
文章を書くのが苦手であれば、箇条書きでも良いのです。
資料をコンサル開始前に作成しておくことで、コンサルタントの理解が深まるのはもちろん、経営者自身の頭の中を整理することにもつながります。
提案した施策を実行しない
ある古着屋店の事例です。
売上の低迷を打破すべく、当会コンサルタントがいくつかの施策を提案しました。
その一つが「看板のリニューアル」です。
現状の看板はサイズが小さく、文字の視認性が悪いものでした。
しかも、店舗が建物の2階にあるため、歩行者の目に留まりにくい立地でした。
まずは店の存在を知ってもらうには、最初に目に触れる看板をテコ入れすることが必要と考えたのです。
さらに費用負担を抑える方法として、小規模事業者持続化補助金を活用することも提案しました。
ところが、数ヵ月経っても看板は元のまま。
理由を聞いても「忙しくて手が回らない」とのことでした。
このように、提案したことを実行に移す方は残念ながら少ないのが現実です。
そういう方に限って、「あのコンサルタントは役に立たなかった」と不満を漏らします。
提案された施策を実行もせず、成果を見極めもしないのにコンサルタントに責任転嫁するようでは、経営改善はおぼつかないでしょう。
最後に
一方で、すべての成功事例に共通するのは「経営者が本気で経営改善に取り組んだ」という事実です。
事前に資料や決算書を準備していただいたり、当方よりお願いしたことに積極的に協力していただいたりすると、私たちコンサルタントも「この方の役に立ちたい」という気持ちが込み上げてきます。
当会の理念である「伴走支援」は、経営者とコンサルタントの信頼関係があってこそ実現できるものです。
経営改善に本気になって取り組む経営者の方とともに頑張りたいと心底願っています。
当会には100名を超えるコンサルタントが所属しています。
それぞれがさまざまな知恵や経験を有していますので、どんな事例にも対応できる自信があります。
まずはお気軽にご相談ください。